予習シリーズの改訂の前と後 〜算数について〜

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 予習シリーズは2021年2月に4年生のテキストから改訂を開始し、順に5年生、6年生と改訂をすすめました。当時、「改定後の予シリは難しい」とか「カリキュラムが前倒しになっていて、進度が早い」という噂を聞いておりましたので、私は旧予シリの算数4年生上だけメルカリで購入して、子に学習を進めてもらいました。ザッとさらうように学習する事が目的ですので、演習問題集や最難関問題集はまだ入手しておりません。

 旧予習シリの算数4年生上もそろそろ終わりそうだし、難易度も難しくて手が出ないという感じではなかったので、今度は思い切って改訂版の算数4年生下を購入しようとしたところ、次のことに気がつきました。

改訂版は夏期講習テキストもやらないと全ての単元を学習できない

 そういえば、どなたかが以前におっしゃっていたような気もします。改訂版の4年生と5年生は、夏期講習テキストも購入して学習しないと、単元に抜けが出てしまうのです。四谷大塚ドットコムによりますと下記のように注意書きがあります。

【4年生・5年生予習シリーズ算数のカリキュラムについて】


4年生・5年生の夏期講習教材【必修編】で学習する以下の単元につきましては、
「予習シリーズ算数」上巻・下巻で取り扱いません。

算数では、「予習シリーズ」と夏期講習教材「必修編」併せて、未習領域無く学習できます。

◆4年生◆

1 小数のかけ算とわり算
2 分数のたし算とひき算
3 分数のかけ算とわり算
4 がい数
5 差の集まり考える問題
6 ご石をならべる問題
7 いろいろなならべ方
8 いろいろな組み合わせ方


◆5年生◆

1 比の表し方
2 比例式と逆比
3 相似
4 底辺の比と面積比
5 通過算と時計算
6 流水算
7 素因数分解
8 物体をしずめる問題


4年生下巻ならびに、5年生下巻では、上記の単元は全て「既習扱い」になります。

算数につきましては、
【 予習シリーズ上巻 → 夏期講習テキスト必修編 → 予習シリーズ下巻 】 
の流れで学習して、はじめて論理がつながります。

旧版下で学習した単元を改訂版では上で学習する

 加えて、旧版の算数4年生下で学習していた一部の単元を、改訂版では上巻で前倒しで学習するようになっており、冒頭で述べていたように「旧版上→改訂版下」という流れで学習すると多くの単元が未習になってしまします…。最初から改訂版を買えば良かったと後悔しました…。やってしまったものは仕方がないので、改訂版の上も購入し、学習できた所とできていない所を比較して見つけ出し、学習していないところだけ改訂版で進めていくことにしました。

具体的に何が変わったか?

 以上、おおまかに何が変わったか述べました。今回、算数4年生上巻のみ、新旧両方のテキストが手元にありますので、両方の内容を比較し、以下より具体的に何が変わったかを書き連ねていきたいと思います。飽くまで個人的な感想になりますので悪しからず。

①扱う単元が変わった

 冒頭でも申し上げておりました通り、改訂版と旧版では扱う単元に相違があります

改訂版 算数 上旧版 算数上 のどこに該当するか
第1回 かけ算とわり算の文章題→第1回 かけ算とわり算
第2回 計算のきまり→第3回 計算のきまりと順序
第3回 角の性質→第2回 角の大きさと性質
第4回 和と差の問題→第4回 和差算
第5回 総合
第6回 小数と単位→第7回 小数(1)
第7回 分数の性質→第8回 分数(1)
第8回 三角形の角→第12回 三角形の性質
第9回 いろいろな四角形第9回 正方形と長方形
 第18回 四角形の面積
第10回 総合
第11回 三角形の面積→第19回 三角形の面積
第12回 間の数を考える問題→第6回 植木算
第13回 周期を考える問題→第13回 周期算
第14回 等差数列→第16回 等差数列
第15回 総合
第16回 約数→該当なし(おそらく下巻)
第17回 倍数→該当なし(おそらく下巻)
第18回 一方におきかえて解く問題→第17回 つるかめ算
第19回 立方体と直方体の性質→第14回 立方体と直方体(1)
第20回 総合

第5・10・15・20回は新旧ともにそれまでの回の復習回になります。上記をご覧になるとおわかりいただけるように、改訂版の算数4年上巻には「約数」と「倍数」の単元が追加され、旧版の「第9回 正方形と長方形」と「第18回 四角形の面積」が統合され「第9回 いろいろな四角形」となりました。また、旧版には「第11回 大きな数とおよその数」という単元があったのですが、それは削除され夏期講習テキストの「4.がい数」に移行しております。

②各回の冒頭の説明部分が詳細になり、わかりやすくなった

 各回の冒頭に扱う単元の説明をする「本文」があるのですが、それが改訂版では旧版より理解しやすいように図を増やしたり、行間をとったりして見やすくわかりやすくなっています。「基本問題」「練習問題」においても、行間をとって問題と問題の間の空白をとりより見やすくなったと思います。そのためか旧版ではトータルのページ数が158ページなのに対し、改訂版では191ページと大幅に増量しております。

③「チャレンジ問題」と「復習問題」がなくなった

 旧版も改訂版も問題の内容は9割方同じでした。計算の数字が変わったり、新たな問題が少々追加されたりしていましたが、改訂版では旧版にあった「チャレンジ問題」と「復習問題」がなくなっていました。「チャレンジ問題」は入試で実際に出題された問題で、毎回「練習問題」の一番最後に1問だけありました。「復習問題」も以前の回の復習として毎回ついていましたが、改訂版では両方なくなっていました。問題の難易度は、ザッと見た感じ旧版も改訂版もそこまで変わらないのではないかと思います。

新旧どちらを買うのが良いのか?

 「改訂版か旧版のどちらを買うか迷っている。」と言う方はあまりいらっしゃらないのではないかと思っていますが、もし、「改訂版は難しいらしいと聞いているから、旧版を買おうかと思っている。」と言う方がおられましたら、扱う問題の内容や難易度はそこまで変わらず、むしろ各単元の説明は改訂版の方がわかりやすくなった事をお伝えした上で、コベツバやすぐる学習会などを利用するなら改訂版、絶対にコストを抑えたい場合は旧版をオススメしたいと思います。

 まず、コベツバやすぐる学習会についてですが、ご存知の方も多いと思いますが、コベツバはオンラインの学習教材解説動画のwebサイトで、すぐる学習会は無料で予シリの詳しい解説をしている中学受験専門学習塾のwebサイトです。どちらも改訂版に合わせて解説をしていますので、ゆくゆくこのどちらかを利用したいと考えた時に旧版だと使えないことになります。

 次に、コスト面について説明していきます。問題の内容や難易度はそこまで差異がないので、予シリだけ使ってザッと4〜6年生の単元について学びたいという場合であれば、旧版の方が安くで済みます。旧版予シリは四谷大塚ドットコムでは取り扱いをしていないので、メルカリ等で中古品を入手することになりますが、旧版は改訂版と違って沢山出品されているので入手も簡単です。ちなみに、改訂版は出品されるとすぐに売れてしまい、正規より低価格で売られている物はほぼSOLD OUTです。

絶対に低価格に抑えたいという人以外は、改訂版を買うのが無難だと思います。もし、リアルで聞かれたら、こんなに長々と言わずに「改訂版買った方がいいよ〜」って言うと思います。「でも、予シリ高いよね」って言われたら、「メルカリで旧版買えば〜」と言いますね。

まとめ

 今回、改訂版と旧版の両方を入手して比較すると言う酔狂な事をしてしまいましたが、中には私と同じような考えに至った人も極僅かにいらっしゃるのではないかと思います。この記事を見て迷いを払拭し、ご自身の目的に合った選択をして頂く事の助けになれたならば幸いです。

(2023年12月追記:コベツバの予習シリーズ解説サイト「StandBy」の無料体験版を利用してみました。感想は下記の記事です。)

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